学校の庭 -1
Schulgarten der PH Karlsruhe

体験用の庭・ビオトープ・実習用の畑 を含む教育大学の学校の庭
2001・08 作成
< もくじ >
体感する庭
いろいろなビオトープ
庭の公開日
体感する庭 
カールスルーエ教育大学  学校の庭の看板
庭のコンゼプトをよく表している
五感を使った自然の体感
・味わう
・匂いを嗅ぐ
・聞く
・素足で歩く
・見る
・触る
カールスルーエ教育大学の学校の庭が造られたのは1985年。将来小中学校の先生となる学生が、この庭で実習を行う。庭は1600平方メートルで、大きく三つの区画に分かれている。すべてがビオトープではないが、平日は市民も自由に庭を体験することができるし、子供たちの環境教育にも使われる多目な学校の庭である。この庭を使った環境教育の例は次のトピック“学校の庭‐2”でレポートする。
学生が実習で学べること
庭を構成する三つの区画
・環境教育 ・体験用の庭
・植物の世話 ・いろいろなビオトープ
・庭の管理 ・実習用の畑
この庭の特徴の一つは、実習を行う学生と環境授業を受ける小学生が一緒に活動できること。学生はそういった経験を通して環境教育について学べるだけでなく、子供たちが学校の庭と環境教育にどんな興味を示すのかを実際に観察することができる。
ハーブの畑
ラベンダーなど多数のハーブが植えられた畑。地面を高くしてあるので、身をかがめなくてもハーブに触ったり匂いを嗅ぐことができる。また、車椅子に乗った人もハーブを体験することができる。
素足で歩く小道
石、砂利、砂、木の皮などが敷かれた小道。素足で歩く感覚が懐かしく、新鮮でもある。
鳥の巣
リンゴの木の枝にかけられて鳥の巣。鳥の声、虫の声を聞けるようにするのもこの庭のコンセプトの一つ。
他に茶色の物もぶら下がっているが、これは中にわらを詰めた素焼きの植木鉢。害虫を食べる虫の巣となる。
花壇
季節ごとにきれいな花を鑑賞できる。オレンジ色の花はトルコゲシ。
いろいろなビオトープ 
ビオトープを紹介するのもこの庭の大切な役割の一つ。『 ビオトープ = 池 』と考える人も多いが、池や小川の他にも多様なビオトープが作られている。
池のビオトープ
この春に作られた池のピオトープ。以前の池は、植物の繁茂で沼のようになってしまった。今回は、池の底にビニールシートを敷いてなるべく長く池の状態を保つ計画。魚は放さず、昆虫を多く飼う予定。
ハーブの渦巻き
一番下の池から始まり、一番上は砂地になる渦巻き。主にハーブ類が植えられていて、湿地帯から乾燥帯まで様々な植物をここで見ることができる。
蜂の巣
土壁、木材に無数の穴をあけ、蜂が卵を植えられるようにしている。屋根にはカヤが使われ、そこに卵を産むこともできる。
草地のビオトープ
この一画は砂地で、乾燥に強い草が育っている。
ビオトープの区画の半分以上は草地になっていて、そちらは大きな草地のビオトープと言える。果樹も植えられているので、将来は草原と果樹のビオトープになるはず。
庭の公開日 
7月13日の庭の公開日。普通の見学はいつでもできるが、この日は特別に教職員と学生が準備したたくさんの催し物が行われた。“学校の庭-2”で紹介するグーテンベルグ小学校2年E組の生徒達も庭を訪れて、いつもの環境授業とは違った形で自然を体験した。
実習用の畑
学生が実習に使っている畑を案内するレナート教授と、担当の学生。現在、レナート教授がこの庭の管理運営に責任を持っている。
ジャガイモスタンプ
日本でもおなじみのジャガイモスタンプ。
他に、リンゴジュース作り、ジャム作り、ハーブ袋作り、顕微鏡を使った花の観察、etc. などが行われ、子供たちだけでなく大人も学校の庭を楽しんだ。
染め物に使う植物
主に中世に使われていた染め物用の植物を植えている畑。
教授の話を聞いているのは、小学校の先生。この日は学校の庭に興味のある教職員、学生、子供連れの家族、一般市民など約500人が庭を訪れた。
 
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取材協力: レナート教授(Prof. Hans-Joachim Lehnert)、教員、学生のみなさん 

HP: http://www.ph-karlsruhe.de/NATUR/GARTEN/

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