風力発電 -2

インフォメーションセンター
2000/5 作製
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インフォメーションセンター
ゴミの山にも春
 
インフォメーションセンター
2001年4月28日、カールスルーエ市の西ゴミ処分場にエネルギー インフォメーションセンターがオープンしました。この処分場に発電用風車を建てたミュラショーンさんのプロジェクトです。センターには風車の資料だけでなく、ゴミ処分場から出るガスの利用、太陽エネルギー利用などに関しても展示し、
代替エネルギーに関する総合インフォメーションセンター
を目指しているそうです。このゴミ処分場には9月に風車3号機が建設されます。そして数年後に処分場が役割を終えたら、山の南斜面に太陽電池を敷いて大規模な太陽発電施設を作るのがミュラショーンさんの夢。
ゴミの山をエネルギーの山に変える”そして
総合エネルギー公園を作る”
壮大なプロジェクトです。
風力発電、風力発電-2、風力発電-3の取材に関しては
ミュラショーンさんに大変お世話になりました。
この風力発電プロジェクトに関するサイト:
http://www.windmuehlenberg-karlsruhe.de/index.htm
1号機とインフォメーションセンター
これは発電用風車1号機。根元に建っているのがこの日オープンしたインフォメーションセンターです。
風車だけだとその巨大さがなかなか伝わりませんが、こうしてみるとあらためてその大きさを感じます。地上からモーター部分までの高さは65m。
インフォメーションセンター
床面積約100u、建設費約40万マルク。この日のオープン記念には、天気が悪いにもかかわらず1000人近い人が訪れました。
センター前に置いてあるのは電気自動車。カールスルーエ市の電気自動車協会の所有です。センターの趣旨は、風力発電だけでなく代替エネルギー全般に関する啓蒙と情報提供です。
センター内部
天井など木材が多用されています。
このゴミ処分場、太陽熱温水器、太陽光発電、風力発電、ガスボイラーなどに関するパネルが並んでいます。カールスルーエ市のエネルギー局と清掃局もミュラショーンさんのプロジェクトに協力しています。
太陽熱温水器のパネル
建物の南面に取り付けられた太陽熱温水器のパネル。一般家庭(4人家族)ならば、この大きさで年間の給湯の約半分をまかなうことができます。屋根の上には近いうちに太陽光発電のパネルを敷く予定。
太陽熱温水器のタンク
太陽熱温水器で温められた温水がこのタンクに溜められ、必要な時に熱交換して水道水を温水にします。一般の家庭ではだいたい地下に置かれるものです。
このタンクの面白い点は、断熱に木材を使っていること。まだ一般的ではありませんが、これから普及するかもしれません。
太陽熱調理器
主に発展途上国向けに研究開発された太陽熱調理器が特別展示されていました(パラボラ型ミラーの中央に見えるのがなべ)。調理用の木材調達が困難だったり、砂漠化が問題となっている国々で威力を発揮します。
“特別な技術を必要とせずにどこの国でも安価に生産でき”、
“誰でも簡単に組み立てと使用ができる”
のも大切なポイントです。(ちなみにこの日の曇り空ではお湯を沸かせませんでした。)
再生木材を利用する暖炉
センターの建物の暖房に利用されている暖炉です。普通の暖炉とは違い、再生木材の小さなペレットを燃料に使います(暖房能力:2〜6kW)。排木材を燃料に使うので、環境保全に関心のある人が購入しそう。ただしセントラルヒーティングが普及している現在、どれだけ需要があるかはわかりません。
暖炉を家に作れるのは経済的に余裕のある家庭で、暖炉はどちらかといって調度品の部類に入ります。もう少しシャレたデザインにしたら、一般にも普及するのでは?
燃料用のペレット
上の暖炉に使う排木材からつくったペレット。建築現場や家庭からでる排木材を再利用する一つの方法です。消費量は最高出力で2時間1kg、お値段は約0.40マルク/kg。このペレット2kgで灯油1リットルのエネルギーに相当します。
ゴミの山にも春
ライン川沿いの工業地帯
風車の立つゴミの山(標高約50m)から見た工業地帯。ここはライン川沿いです。
この時期、山の上はあちこちに菜の花が咲いていました。ここが処分場としての役割を終えて数年もすれば山全体が緑に覆われるはずです。ガス(現在は収集されて発電に使われている)の発生も十数年後には終り、その後は公園になる予定です。
発電用風車2号機
2号機の横にはまだゴミの搬入が続いています。3号機の建設予定地はこの写真の右あたり。3号機は2号機より一回り大きく、高さ(モーター部分まで)85m、風車の直径が77m。最高出力も1号機と2号機を合わせた規模(1500kW、900世帯の使用電力に相当)です。
トピック“風力発電-3”でご紹介するように2号機はハシゴを使って登りました。3号機にはエレベータを設置するそうなのでハシゴを登る苦労もなくなります。
 
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