水の大冒険!A

変身する水滴
< もくじ >
水滴くんは語る
北極を旅した水滴くん
実験
霧になった水滴
集中豪雨
汚れた空気
水を大切に
ここでは、『ドイツ・ガス水道協会』が作った冊子『子供のための水の歴史』を紹介します。2冊目はいろいろなかたちに変身する水滴のはなし。
水滴くんは語る
今日は快晴。冷たい水がグラスに入っているね。1万の水滴が、君に飲まれるのを待ってるよ。

水滴たちは久しぶりに会えて喜んでいるんだ。だって、5年、50年、100年、500年、時には1000年ぶりの再会だからね!

北極を旅した水滴くん
いちばんの冒険をした水滴くんのはなし。水滴くんは500年も友達と会ってなかったんだ。水滴くん:「100年間、北極にいたんだ! 初めは、冷たい空気に冷やされてきれいな雪の結晶になってゆっくり空から落ちていった。それから他の水滴たちと一緒に氷の結晶をつくり、100年くらい太陽に温められるのを待っていたんだ。」

「ある日、びっくりすることが起こった! イヌイット(エスキモー)が長靴で僕たちを踏んづけたんだ。そして、ブロックに切り出されて丸い形の家を作るのに使われた。天井に煙突用の穴が開いた氷の家で、イグルーって言うんだけど、部屋の中はとても暖かいよ。」

「ある暖かい日、気温が0℃より高くなり、僕は他の水滴たちと一緒にとけて蒸発。空の上で集まった僕らは雲をつくったけど、こんどは強い風で南へ流されたんだ。それから水滴がたくさん集まり、だんだん重くなり、ついに雨になって地上へまっしぐら。木の葉や石にぶつかりながら、すぐに地下へ染み込んでいった。そのあと浄水場のポンプでくみ上げられたんだけど、その話はまた後でするね。」

実験
試験官を1本用、油性マジック、水道水100mlを用意してね。まず試験官の底から10センチのところにマジックで印をつける。そしたらその印のところまで水を入れる。試験官立てかコップに立てて、冷凍庫で20分凍らせる。どうなったかな?水とはぜんぜん違って見えるね。氷は印のところより大きくなっているだろう?大きくなった分、水より軽くなっているんだ。だから氷は水に浮くんだよ。試して見てね。
 

霧になった水滴
別の水滴:「ある夏の終り。僕たちは川からやっと蒸発できたんだ。『これで雲になれる!』と喜んだんだけど…。太陽が沈んでしまうと、急に気温が下がって5℃! 水滴がどうなったかって?水滴は集まって白い壁のようになってしまったんだ。人間はこれをと言うよ。人間は霧が出ると、文句を言うね。木も茂みも見えなくなるから、車はゆっくりとしか走れないから。つぎの日は太陽が出なかったので、僕らの短い旅は終り。霧雨になって川や、地面に落ちたんだ。」
集中豪雨
ある暖かい日、僕たちは風で空高く舞い上がったんだ。十分に風が強ければ、あとはホコリっぽいところを待つだけ。そしたら僕たちは大きな固まりになって雨になる。地面が水を吸収しないと洪水になったりするから、人間は集中豪雨と言って嫌ってるね。1平方メートルの面積に45分でバケツ8杯分の雨が降るほど強い雨なんだ。車が水に浸かったり、家の玄関にも水が入ったりするくらい。やっぱり、それって多すぎるかな?
汚れた空気
車の排気ガスで汚れたことのある水滴が怒っている。「これだから人間は嫌になっちゃう!になれば滑る、ヒョウになれば物が壊れるといって文句を言う。になってもダメ。雨になったら濡れるからいやだって?! じゃあ、どうすればいいの?」

「人間は自分のしていることには無関心。 僕たちはホコリや煙で汚れ、車の排気ガスを吸い取らなきゃいけない。人間のために悪臭がするほど汚れることもある。200年前は車も工場の煙突もなかったから、水がこんなに汚れることはなかった。小川も川もずっときれいだったんだ。その頃はサケやマスもたくさん川を上っていたのに、今は?」

水を大切に
人間は文句を言うけど、朝から晩までずっと水が必要だ。料理をするのに使うし、コーヒーやお茶を飲む。水は人間が一番たくさん必要とする食べ物なんだ。だから、飲み水の水質は厳しくチェックしなくてはいけない。

コップの中の水滴が叫ぶ:「僕たちが旅の途中でどんなに汚されるか、人間に言わなきゃいけない! 汚れた水を浄水場でまた飲めるようにするのは、すごくお金もかかるし大変なことなんだ。水を大切にすることは、子供も大人もみんなができることだよ。
アイスの袋や、飴の包み紙はちゃんとごみ箱に! こういうものが水を汚してしまうんだ。
歯を磨く時はコップに水をくんで、水道は止めよう!
手を洗う時、セッケンはなるべく少な目に!
なるべくシャワーを使って! バスタブを使うより水が節約できるよ。

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この章はドイツ・ガス水道協会が発行した『子供のための水の歴史』をもとに作成しました。
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