はじめに

◇環境と街の個性

一口に「環境(あるいは環境問題)」と言っても、そこに含まれる内容は様々です。「街の環境」に焦点を合わせても、住環境、都市交通、ゴミ、リサイクル、エネルギー、緑地整備、ビオトープ、自然環境の保全など多くのテーマが考えられます。私の知る限り、すべての面で満点を取れる 都市はドイツにもありません。しかし、それぞれの都市が歴史的・地理的・社会的な特徴を生かしながら個性ある環境保全に取り組んでいます。こういった 地域の独自性が、環境保全取り組みにおけるドイツの強みです。

環境保全に関するカールスルーエ市の大きな特徴は、質と量の充実した緑地、優れた都市交通、先進的なエネルギー政策。日本を含めて外国からたくさんの視察・見学・研修グループが訪れますが、ここではどのような見所があるかを簡単にご紹介します。紹介する場所と内容は、私が取材・調査したところ、日本のグループを案内したところ、通訳として同行したところ、あるいは日頃興味を持って観察しているところです。

 


 

◇多面的にドイツを体験

視察・見学後に「日本で持っていたイメージと、実際に体験したドイツは違う」 という声をよく聞きますが、そう感じていただけるのは大変うれしいことです。情報が自由に行き交う世の中ですが、ドイツの情報が日本へすべて正しく伝わっているわけではありません。そもそも、ものの見方や感じ方は人によって大きく違います。また、情報を伝える側と受け取る側のイメージもどこか違っているはずです。

ドイツからは環境保全に関してポジティブな面が多く伝えられますが、実際にはネガティブな面もあり、日本の方が進んでいる分野もあります。

日本からいらした方が接するのは、自治体の環境局長、環境保全団体のメンバー、あるいは会社の環境保全担当者など、環境に関して特別強い関心を持つ方たちが中心です。彼らは知識が豊富で教養があり高い社会階層にいます。そういった人々のインタビューだけを基に「ドイツは・・・である!」と評価するのは一面的過ぎるでしょう。そこから導かれた 「輝くドイツ像」は誤りではありませんが、必ずしも全体の姿を示しているわけではありません。何事にも光と影の部分があります。そして、誤解を恐れずに書けばドイツにも環境問題に全く関心の無い社会階層が存在します。

ことさらドイツのネガティブな面を強調することが本意ではありません。私が心がけているのは多面的にドイツの情報をお伝えすること。ドイツの環境・社会・自然について表と裏を見た上で「やはりドイツは環境保全に関して進んでいる」と感じていただけるのではないかと思います。

また、環境と経済についてもドイツの事例は示唆に富んでいます。経済を抜きに環境は語れないし、環境ビジネスも興味深いテーマです。

 


 

◇視察・見学・エコツアー、講演、セミナーを希望される方へ

言うまでもなく、ドイツと日本では歴史、社会環境、自然環境が大きく違います。ですからドイツの環境保全の取り組みを表面的に模倣するのは無意味であり、時に有害でさえあります。一つ一つの事例を観察する時、常にドイツ社会の枠組みの中で果たす役割を考える必要があります。社会全体をジグソーパズルに例えれば、環境保全の取り組みはパーツの一つです。そのパーツをコピーして、日本というジグソーパズルに無理やりはめ込もうとすれば、必ず齟齬を生じます。

それでは、実際にドイツへ来て何を得ることができるのか? 無責任なようですが、私はその問いに対する完璧な答えを持っていません。しかし、広い視野と深い洞察力があれば、日本にとってのヒントをそれこそ無限に見つけることができるはずです。

参加人数は1名から30名程度まで可能ですが、実際には少ないほど中身の濃い視察・見学ができます。 都道府県・市町村の職員・議員、県・市町村の海外研修制度利用者、市民団体、大学関係者、企業、個人などから、よくご依頼をいただきます。

ふんだんな情報が溢れる時代だからこそ、自分の目で見て話して聞いた情報こそが力を持つのではないでしょうか。決してドイツの真似ではない、日本独自の環境保全の道を探すヒントをつかんでいただければ幸いです。

カールスルーエ周辺、ドイツ、オーストリアの視察・見学・エコツアーのコーディネート・ガイド・通訳、講演、セミナーを希望される方は、どうぞ お気軽にご連絡ください。

視察最近行った視察・ガイドのリスト(PDF)

 


 

◇ご紹介の前に

  ここで記載する内容・場所は一例です。
     
  視察・見学・ガイドのコーディネートは参加者のご要望をうかがいながらプログラムを組みます。
     
  視察・見学・ヒアリング希望先への問い合わせは、早く始めるほどOKをもらえる可能性が高くなります。
2〜3ヶ月前を目安とし、遅くとも1ヶ月前には始めたいものです。
     
  視察・見学・ヒアリングの通訳・ガイドは、松田、あるいは協力関係にある経験豊富な日本人の専門通訳・ガイドが担当いたします。

 


 

◇ご紹介する項目

各内容・場所について紹介の表を作りました。紹介するする項目は下の通りです。正確な情報を載せるように努力していますが、内容の正確さを保証するものではありません。あくまでも参考としてご覧ください。  

紹介する内容・場所
特徴
管理している市の部局・会社・団体
見学の所用時間(目安です)
見学・立ち入りのために許可が必要かどうか
紹介情報へのリンク

 


 

◇視察・見学の費用

事前調整・視察コーディネート・当日のガイド・通訳費用は以下のように希望いたします。

  • 1日当たり600〜1,200ユーロ、半日ならば400〜800ユーロが目安です。
    この費用は視察内容・視察件数・参加人数などの条件によって異なります。
  • ここには通信費(インターネット等)などの諸経費も含まれます。
  • 可能な限り夕食もご一緒させていただきます。
  • 視察費用や寄付が必要となる場合は別途ご負担ください。視察希望の殺到する人気施設は1時間当たり500ユーロということもあります。いずれにしても視察料の有無と金額は事前に分かりますので、その時点で判断していただければ結構です。
  • その他必要となる諸経費(交通・宿泊費、入場料、日程内の食費など)は通訳・ガイドの分も含めて別途ご負担をお願いいたします。
  • 費用と経費は現金(ユーロまたは円)でお支払いいただくか、ご帰国後にドイツの銀行口座へユーロ建てで国際送金、あるいは日本の銀行口座に円建てでお振込みください。
  • ご希望の形式に合わせた領収書を発行いたします。
  • まずはメールにてお気軽にお問い合わせください!
 

表紙ページ<環境視察・見学>のもくじ|はじめに
市街地の緑地とビオトープ郊外の自然保護区域、森林、畑、ビオトープ
都市交通とエコロジー住宅ゴミ、エネルギー、その他


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