12. 闘犬が社会問題に 2001/7/1

どうなる犬の自由?!
散歩する犬と飼い主
『子供と犬のしつけはドイツ人が一番!』と言った友人がいます。子供のしつけの方は???だけど、犬の行儀の良さにはビックリ。犬と人間の付き合いの長さを感じさせられます。
この公園では綱をつけなくてもOK
公園に立っている表示板。この公園内では綱をつけず自由に遊ばせていいと書いてあります。それに対して街の中は必ず綱をつけなければいけない決まりになっているのですが、多くの飼い主は綱をつけずに犬を連れ歩いています。
6月下旬、2人の小学生が闘犬にかみ殺されるという痛ましい事件が起きました。問題の闘犬とは、戦いに適した種類の犬を小犬のころから訓練したもの。持ち主は必ずしも犬を闘犬場で戦わせるわけではありません(闘犬場は違法。でも金を賭けて戦わせる人はいる)。単なる趣味、あるいは強い犬を持って自分の力を誇示したいということらしいです。ドイツでは人が犬に噛まれる事件が時たま起きます。特に闘犬が危険だと指摘されてはいたのですが今回の事件でにわかにクルーズアップされることになりました。近いうちに“闘犬禁止”の法律が成立するでしょう。

ドイツの犬と飼い主の関係は日本とだいぶ違います。私が日本で犬を散歩させた時は犬にグイグイ引っ張られ、果たして“犬を散歩させている”のか“犬に散歩させられている”のかわからなかったものです。ドイツではそんな光景を一度も見たことがありません。飼い主が“主人である”のは当たり前のことで、犬は飼い主の言うことを実によく聞きます(小型犬はその限りではないけど)。ドイツに来た当時、綱をつけないで散歩する飼い主がいるのを見てびっくり仰天! 散歩どころか、バスや電車、さらにはレストランの中でも綱無しの犬がとても静かにしてます。

『なぜドイツ人が犬好きかって? ドイツでは家庭でも職場でも、だれも自分のいうことを聞いてくれない。自分の命令になんでも従ってくれる犬が可愛くて可愛くてしょうがないから!』とドイツ在住20年の日本人が言ってたっけ。いつもながら辛口なコメント。その意見は確かに当たっているところもありますが、動物は理屈抜きに可愛いもの。また盲導犬なども大活躍してます。とにかくどこに行っても犬はみんなの人気者です。だけどこれから先は普通の犬にとっても少々肩身の狭いドイツになるかもしれません。犬をどうしつけるかは人間次第で、人間の勝手で闘犬にさせられた犬こそまったく迷惑。

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