< ドイツ・ハノーファーエクスポ2000 -3>
テーマパーク 環境館 〜ドイツ〜


テーマパークとはエクスポ2000のメインテーマ“人間、自然、技術”に関する展示を集めた5つの大ホールの総称。ホールの中がブロックに区切られ“エネルギー館”、“健康館”、“人間館”、“未来館”など計11のテーマ館で構成されている。その一つ“環境館”を紹介したい。

ここでもテーマの柱になっていたのは持続的に生産可能な資源としての“植物”。ライトアップされた木のオブジェ(写真)はその象徴である。ドイツ国内での木材住宅人気の高まりは、そうした環境意識の表われの一つと言えそうだ。建築に使われる木材の需要を、国内産の木材で充分まかなえるのもドイツの強みである。
 
 

ライトアップされた  
  木のオブジェ
ジャガイモの  
  プラスチック
ゴミのオブジェ
面白かったのは数百のコップやクレジットカードが並んだオブジェ。解説によるとジャガイモやトウモロコシを原料に使ったプラスチックの利用例だった。生物系のプラスチックは石油系と違って土に返るという大きな特徴がある。“植物資源”と“脱石油”に加えて“自然循環”というコンセプトも持っているわけだ。環境館ではその他に“エネルギー”、“ゴミ”、“環境に配慮して都市計画された町”などの展示もあった。

最後の部屋のテーマは“瞑想”というべきだろうか。直径数mの暗い部屋の天井にスクリーンが吊るされ、森林や川のせせらぎの映像が写し出されていた。流れる音楽は心が落ち着くような静かなもので、日本の尺八も使われていて興味深かった。ドイツでは今、東洋文化が静かなブームになっている。日本の武道や茶道、中国の太極拳など、独特な精神世界を簡単に理解することはできないけれど、やってみると気持ちがいい。理屈抜きの心地よさや“自然と人間との一体感”を得られるのが人気の理由ではないだろうか。
 
 

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